Anno//さんがつけた評価
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作者に関する知識は何も無く、”長持”という言葉とフォローさまのレビューに惹かれて。…読み始めたら、頭が真っ白になって、あぁー私の脳もポリコレに浸かりすぎていたと衝撃で、言葉を失う作品でした。
「冬の番屋」ー読みながら、何故か「蟹工船」の作家小林多喜二のあの時代を思い出していました。私にとって救いだったのは、読んでいて愛を感じた事です。寒さに震える体の温め方を知っている人に、悪い人はいないなと。(ー私も冷えた事があって、1人目は蹴られ、2人目は脚に挟んでもらって温めてもらった事があるからなのですが…。)あの老人も、誰かにしてもらった経験があるから出来た事なのかなと。それは愛を知っている人じゃないと出来ないだろうなと…。マスクを燃やすシーンは良かったです。(最後、あの老人がハイジのお爺ちゃんに見えました)ー…海の漢は良いですね。
「ACTINIA」ー1度目読む。ヒィー叫 最後まで読めない でもそれは失礼だなと思い、後日また再読。しっかりと受け止めました。ないない、そんな世界…と否定するのは簡単で、あるかも…と最後は思い直したり。そのくり返しでした。
それは人が無自覚に持っている闇の部分に薔薇を待たせた様なお話で…。
サドな人間はヒエラルキーのトップに行けばいくほどいてあり得る世界かな、とも思いましたが、いや、このお話は人間らしい人間のお話なのかな、とも。この作品ーイソギンチャクの動く姿を想像しましたーで、田亀源五郎という方の世界観にハマりました。
「長持の中」ー1番読んでみたいなと思っていた作品。江戸中期のほのぼのとした…とタイトルから想像した私の予想は、表紙で消え去りました。(痛々しい…)
この作品にもある、痛いのに何故興奮するのか…の描写。脳が守る為に無意識に出すホルモン?とも思いましたが…どうだろう。
支配しいたぶる…そのサド的な興奮はみんな持っています、よね。逆に支配され考える事も止めて、自分の全てを誰かに委ねる快感もまた、私達は知っている。それは長持の中じゃなくても、人間社会という中で起こっている毎日の現象の様にも感じました。
ー…あとがきを読んで。笑。まともそうな方でした。ただどんな方なのかは分からず…。作者さまのその人間性に触れられるのは、作品の中だけなのかなと思いました。レビューを通じて出会えた作品。感謝です(閉じる)
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