"ひだまりが聴こえる"という優しく綺麗なタイトル。そのタイトルの通り、難聴という難しいテーマを扱っていますが、臆病になっている航平に真っ直ぐぶつかっていく太一、この二人の関係に心がじんわりと温かくなる作品です。
本当は好きなのに、太一に迷惑をかけたくないからと、距離を置く航平の優しさが切なく、胸が締め付けられます。しかし、それでも側にいることを諦めず、何度も何度も航平と向き合おうとする太一が、受という立場でありながらとてもかっこいいです！
BL要素は少なめですが、航平と太一の迷いや葛藤が丁寧に描かれており、一度読んだら、最後までふたりを見届けたくなります。
また、障害をよく知らない人の偏見や差別が、自分だったらどうしてたか、普段どうしているかなど、自分を見つめ直すきっかけになると思います。1巻では恋愛としての進展はあまりありませんでしたが、2人の関係はこれからどうなっていくのかシリーズにも注目です。BLというジャンルの垣根を越えて、全ての人に読んでほしい一作ですので、どうぞチェックしてみて下さい。

＜あらすじ＞ ―――あいつ、耳聴こえねーの？ 難聴せいで何かと誤解を受け周囲とうまく馴染めない大学生の航平は、いつしか人と距離を置くようになっていた。バカみたいに明るい性格で思ったことを何でも口にする太一との出会いが航平を変えていく。

コミカルな筆致で、BLなのにギャグ要素満載！思わず笑ってしまうシーンが多々あります(笑)
広瀬くんを好きな中村くんは、仲良くなろうとあの手この手で攻めますが、なかなかうまく行きません。本人はいたって真剣ですが、中村くんの一途で一生懸命な姿が、健気で可愛くて、応援せずにいられません！高校が舞台となっているので、広瀬くんで妄想しちゃう中村くんに、懐かしさを感じたり、共感してしまったりする腐女子の方も多いのではないでしょうか♡作中では広瀬君だけでなく、魅力的なキャラがたくさん出てくるので、中村くんに負けないくらい読者の妄想力も掻き立てられます！もちろん、ギャグ要素だけでなくキュン要素もちゃんとあります。最後の広瀬くんを引き止めるシーンは、急に見せる中村くんの大人びた表情のギャップに、ドキッとしてしまいます！内気な中村くんが、広瀬くんが関わるときだけ喜怒哀楽が激しくなり、ちょっぴり大胆になるところにも注目です。
純真無垢で、ほっこり心が温まる青春ギャグBL、ぜひ一度読んでみてください♪

＜あらすじ＞ ちょっとおかしな高校生、中村くんが同級生の広瀬くんに一目ボレ！？まだ友達にもなってないのに…ドキドキがとまらない!!ニュー80'sの新鋭”春泥”が送る、粘着系男子の片想いが暴走するサバイバル☆ラブコメディ!!

大学生の拓海ですが、年下の高校生・欣也の言動に慌てる様子が可愛すぎる！ こんなに純真無垢でドジっ子なカワイイ大学生は他にいません。いつも明るい拓海と欣也ですが、ふたりともそれぞれ悩みを抱えていて、それを周りに隠して普段通りに振舞う様子はちょっぴり切ないです。ふたりだけの世界観ではなく、周りの人たちとの人間関係がリアルに描かれているので、日常の中のちょっとしたキュンポイントが楽しめます！
普段はなんでも卒なくこなし、余裕のある欣也ですが、天然純度100％な拓海になんだかんだ振り回されて、余裕がなくなった時の表情は拓海に負けず可愛いです！ 作中では「欣也が攻」と言っていましたが、エッチのときはどんなそそる顔を見せるのか……妄想しちゃいますね♡
少女漫画のような"華やかさ"を足したと絵津鼓先生がおっしゃっていた通り、ストーリーの可愛さに絵の可愛さもプラスされ、初心者さんでも読みやすい作品となっています！ おっとり天然な拓海がときどき見せる男らしいかっこいい一面にも注目して読んでみてくださいね～。

＜あらすじ＞ 「彼女じゃなくて彼氏じゃダメ？」 まだ見ぬ彼女とのデート貯金に励む大学生の拓海。そんな拓海が家の仕事の手伝い先で出会ったのは、ラウンジのボーイの欣也。だんだん仲良くなっていった拓海と欣也は、なんと二人でデートの練習をすることに！果たして拓海に彼女はできるのか…！？

淡いタッチの鮮やかな表紙が印象的なPEYO先生のデビューコミック。まずなんと言っても作画が素晴らしい……!!デビュー作とは思えない安定感と勢いのある、少年漫画誌のような独特のタッチが目を惹きます。
「女を守ってこそヒーロー」そんな思いを抱く大河が冒頭から暴走気味に物語を引っ張っていくので、グングンお話に引き込まれていきます!!薄っぺらいお芝居しかできない大河に演技指導をすることになる有馬。お互いが抱えている重たい事情が見え隠れする中、ふたりの距離は少しずつ、でも確実に縮まっていきます。変わっていくふたりと高校生男子の繊細な心模様。お互いの感情をぶつけあうシリアスなシーンと男子高校生の穏やかな日常とのギャップ。ふたりを陰ながら支える絶妙な友人達。甘いイチャイチャだけがBLじゃない！ 共感する場面、分からない場面、沢山出てくると思います。一言では語りきれないこの作品の魅力をぜひその目で見て、感じていただきたいです！

＜あらすじ＞ 幼い頃からヒーローに憧れる大河は、高校に入学し運命の女の子と出会う。その相手は、演劇部のマドンナ・通称「マリア」。公演で一際目立つマリアに一目惚れした大河は、出会ったその日に自分のヒロインになってくれと告白するも、あえなく玉砕。評判の美女は実は男だった――。

とにかく優しくあたたかい。そんなBLを読みたくなったとき是非この作品を読んでみてください。
過去の怪我で左目を失明している柊平の存在は、お話の中で一見重く見えがちですが、絵柄や空気感と穏やかな日常に違和感なく溶け込んでいます。柊平の失明の責任は自分にあると強く抱え込むトモ。柊平に対する言えない想いも抱え込んでいて、もう手一杯!!何度も登場する泣き顔を見るたびに堪らなくなるこの気持ち……きっと柊平の気持ちとシンクロするはずです。優しい登場人物の中にもトモの兄だけは弟を大切に思うばかりに、柊平に強く当たったり……と一筋縄ではいかない二人。家族が密接に関わってくるのも高校生BLの見どころ！
お互いを思いやり一緒にいたいと強く願う高校生ふたりが、時に反対されながらもあたたかい家族に囲まれて想いを実らせていく、ピリッと切なく最後は甘い。そんなBLはいかがですか？

＜あらすじ＞ トモは子供のころ幼馴染の柊平の片目を事故で失わせたと呵責の念を抱いている。しかし柊平の大家族はトモをいつも温かく迎えてくれる。だがトモは口にできない想いを抱えていて……。

一つ一つの繊細な表情が特に際立つこの作品。グッと目を奪われるコマが多く不安定な男子高校生の心情を色濃く映し出しているようなハヤカワ先生の印象的なコマ割りや吹き出し!!とにかく最高の一言に尽きます!!
幼なじみが想い人に変わり、そして恋人に変わる。そんな様子がとても瑞々しく、ふたりの心情に入り込んでたまらない気持ちになります。幼馴染の正太朗への言えない気持ちを抑え込んで、カメラを向ける新の切ないこと切ないこと……。想いが通じ合ってからの葛藤も多く描かれているので、そんな作品をお探しの方はぜひ‼細かいコマまで読み応えがあり、読み込めば読み込むほど生の高校の雰囲気が味わえます。一度目は流れるようなコマ割りに目を奪われ、二度目は細かい書き込みをじっくり読み込む、そんな楽しみ方も提案したい作品です。
何てことないクラスメイトとの会話やふたりの関係を好意的に見ることのできない友人・澤山の存在など、本当にどこかに存在していそうな高校生の恋物語・読み応えたっぷりでお届けします！

＜あらすじ＞ 高校生の新と正太朗。 幼馴染の二人だが、長い間、新は正太朗への想いを隠して過ごしていた。 これまでも、そしてこれからも言うつもりのない「好き」という言葉。しかしある時、正太朗から思いもよらぬ告白を受け……。 幼馴染から恋人へ、変化する関係を繊細かつ濃密に綴るきらきらラブストーリー。

霊障体質の主人公×厄除け体質の同級生というファンタジーな設定もありつつ、男子高生のリアルな日常を覗き見できるのが本作！ 可愛くてイケメンな守くんのツンデレにときめかない男なんているのでしょうか……。友情から恋への気持ちの変化が、純粋で初々しく、キュンキュンが止まりません!!
エッチシーンはないものの、ついつい妄想してしまうシーンがたくさんあるので、自分の性癖に合わせたエッチが連想でき、読みごたえも十分!!匂わせBLが好きな方は是非、ふたりの友達以上恋人未満な関係を読んでいただきたいです♡また、収録作品の「横井くんの字事情」は、社会人ふたりのオトナなピュアラブを堪能できます‼純朴で字が下手なサラリーマンの横井くんが、書道教室に通い始めたのがきっかけで、優しくてイケメンの泉先生と出会います。ときどき腹黒な先生に翻弄される横井くんが、とても素直で可愛くて、これぞまさに王道受!!
純粋ほのぼのBLが好きな方はもちろん、普段はシリアスなものや、エロ満載のものしか読まないという方にも、合間の癒しの時間としてオススメしたい一冊でした♪

＜あらすじ＞ 重度の霊障体質の高校生（※留年中）・大野太は、ある日、自分とは真逆で「霊をはじく」体質のキラキラ少年・小林守と出会う。 霊障に悩まされない快適な学校生活を送るため、自分に憧れていると言う守と友達づきあいを始めた太だったが……？！

まず、北畠先生の美しい絵で描かれる美少年・大和の透明感たるや！可愛すぎるぅぅぅ眼福です……‼
主人公は、子どもっぽくて人見知りな性格でまさに仔羊ちゃんな大和くんと、某少年漫画の主人公を想起させるような、社交的で世話好き男子の貞治。これはちょっと変わった関係性の二人が、不器用に前に進んでいく、そんな物語です。自分の気持ちにまったく気がつかない大和に想いを告げず、関係性が壊れるのを恐れて外堀ばかり埋めていく貞治。一方、貞治がいないと生きていけない自分をどこかで自覚していて、これ以上の依存を恐れて自立しようとし始める大和。そんななか、良いヤツだった貞治の肉食男子の部分が出てきてしまって……。北畠先生の綺麗で可愛らしい絵もあいまって、気がつけば繊細で臆病な二人の関係性が進んでいくのを、まるで保護者のように見守っている自分がいるはずです。エロがなくても、二人の想いや可愛さにキュンキュンしっぱなし!!読みやすい一冊になっています。

＜あらすじ＞ ハーフで眉目秀麗、周りから常に熱い視線を集める大学生の大和は、ネガティブで人見知りで友達もいない。でも、大和には唯一心を許せる相手がいる。大和とは性格が正反対の貞治だ。しかも、大和は貞治と一緒に暮らしている。大和は対等の立場でいたいけれど、何かと世話を焼いて大和を甘やかす貞治。そんなふたりの関係とは──!?