主人公の春樹は、家族や大切な人を連れて行ってしまう長い冬が苦手な雪国男子。そんな冬にやって来たカメラマンの成美の距離感に戸惑いつつ、父が愛用していたカメラを使って自身も写真を撮るようになります。
ファインダーを覗いて初めて成美と正面から向き合う春樹と、撮ったデータを見て春樹への気持ちに気づく成美。デジタルカメラを使う成美に対し、春樹はフィルムカメラ……。こんなところまで対称的に描かれているなんて、芹澤知先生の表現力に感服です……！ ファインダー越しにゆっくり近づいていく距離と少なくなっていくフィルムにも胸が切なくなりました。
そしてこの作品のもう一つの見どころは丁寧に描かれた作画！ 北海道の冬の景色や動物、キャラクターの細かな表情、シャッターを切る瞬間まで……あらゆる場面が美しく描かれており、物語の世界観に引き込まれます。そして気になるタイトルの意味とは……？
冬が題材ながら読後は温かい気持ちになること間違いなしの一作です。

＜あらすじ＞
北海道育ちの春樹は、地元に撮影へ訪れた動物カメラマン・成美を、冬の間家に泊めることに。自分とは真逆の成美とは相容れない!!!と威嚇しまくる春樹だったが…。

高校生の和志は大学生のルイに片思い中。体の関係はあるものの、ルイになかなか振り向いてもらえない……それでも3年間必死に思いを伝えています。一方でルイにも忘れられない人がいて……。
亡くなった昔の恋人の面影を探しているルイの悲しみと孤独、そしてそんな彼に片思いをしているのに、全く報われない和志の切なさに胸の痛みが止まりません……！
そして注目したい点は何といっても雪の描写！ 体は何回も繋げているのに通じ合わない想いを、冬の北海道という舞台設定がさらに切なくしています。物語終盤ではなんとルイが和志の前から姿を消してしまう展開も。独りで雪の中に消えていこうとするルイは本当に儚く、今にも雪に攫われしまいそうでした……。
はたして和志はルイを見つけ出すことができるのか、そして冷たいルイの心を溶かすことができるのか？ 孤独に震えるルイと絶対に諦めない和志の恋物語に涙すること間違いなしです！

＜あらすじ＞
和志（かずし）にはずっと片想いをしている人がいる。彼の名前はルイ。一途な想いを伝え続ける和志だが、ルイの心には忘れられない人がいて――？

人より花が好きな明夫と同じ学生寮に住む後輩・海。自分とは縁のない海の生活に呆れながらも一緒にいると居心地が良く、海は孤独な明夫の心の隙間に入り込んでいきます。父親との確執から人を避けるようになった明夫と、ゲイである為に孤独を抱えその場限りの関係を繰り返す海。愛されたいと欲しながらも傷付くのが怖くて諦めてしまっていた二人の暗い気持ちや、寂しい、悲しい、つらいという感情を表すように描かれた雪の描写が印象的です。雪かきのシーンで涙をこぼす海には胸を締め付けられました……。
そんな似た者同士の二人は、お互いの傷を埋め合うように共に過ごすようになり、二人の心が軽くなっていくと同時に背景も雪解けに近付いていきます。雪が解けて二人に訪れるのは春か、それとも……？
映画のワンシーンのような一コマ一コマが魅力的で、繊細な心情を紙面の隅々まで使い丁寧に描いています。運命的とも言える関係性が尊い、ハートフルな物語です。

＜あらすじ＞
草木が好きで人嫌いな小林明夫。同性と一度きりの関係を繰り返す大橋海。海が明夫に懐き、明夫も少しずつ海に気を許すようになっていくが…。

大学生のヤスヒロは旅行中の事故で千年前のキエフに転生し、夢で探していた大公ウラジーミルと出会います。絶賛連載中の作品なのでまだほんの冒頭部分といった印象ながらも、転生、前世、民族、魔術等とても興味深いキーワードが飛び交う魅力的な作品です。前世のラグナルとウラジーミル、転生後のウラジーミルとヤスヒロ、現世のイーヴァとヤスヒロと、それぞれの関係性が複雑に絡み合うストーリーで今後の展開に非常に期待が持てます……！
ラグナルへの想いを募らせたウラジーミルに強引に抱かれるヤスヒロですが、何故か嫌いになることが出来ず、孤独な彼を側で支えたいと思うようになります。東欧の過酷な自然と王という立場に翻弄されながらも、次第に惹かれ合う二人の行く末から目が離せません。次巻では凍土を溶かすような熱い二人が見られることを期待したいです！ 肉体美、民族衣装、歴史もの、運命的ストーリーがお好きな方におすすめです。

＜あらすじ＞
ヤスヒロには子供のころから繰り返し見る夢がある。夢の中の言語を頼りに旅をするなかで、異世界転生してしまい…。

主人公のさとしはオ〇ニー好きの引きこもりニート。異世界転生して綺麗な見た目になりH三昧な生活を送りたいと願っていた矢先、なんと南国の姫・アイラ(♂)と入れ替わってしまいます！ しかもこれから王子様との「初夜の儀式」が執り行われるところで……⁉ そんな一味違ったファンタジー設定を楽しめる作品です。
気持ち良いことに従順なさとしが、ナチュラルに王子・シュナを煽っていくえっちシーンが印象的。読み手までニヤニヤが止まらなくなること請け合いです！ そんなさとしを見てどんどん余裕がなくなっていくシュナの攻めっぷりもたまりません！
そして、さとしとアイラの性格が正反対なのも注目ポイント！ 見た目はアイラ、中身はさとし。シュナが、純粋で感情表現の豊かなさとしの中身にどんどん心惹かれていく過程をお見逃しなく！ 物語の途中で舞台が南国から日本に移るのも、なかなか見たことがない展開で読み応え抜群でした！

＜あらすじ＞
エロ行為に目がないダメニートのさとし。ある日気づくと南国の姫・アイラと身体が入れ替わってしまっていて、しかも王子様との「初夜の儀式」が執り行われるところらしく……!?

リゾート地でライスボール屋を営んでいるクォーターで碧眼の青原。強引で訳アリな日本人観光客の正木から貞操を狙われることになってしまい…。そんな印象的な初対面から肌を重ねるまでの勢いのある展開はドキドキの連続！ 正木と青原、それぞれのひとりよがりだった恋とセックスの概念が変化していき、反発しながらも惹かれ合っていく心情に萌えがぎゅんぎゅんと高まります……！ 恋愛が不得意ゆえのすれ違いにもじれじれとさせられて、ついに迎えた両想いエッチの昂りたるや……！ お互いを求め、気持ちも身体もぶつけ合う……激しいのにしっかりと愛を感じる素敵なシーンに心が満たされました♪ また、元タチなだけに正木にされるがままではない、尻で抱くスタンスのエロかっこいい青原にもそそられっぱなしです！
開放的な常夏の島で繰り広げられる不器用なエゴイストたちの恋の攻防戦。胸を焦がすような熱い恋愛模様をぜひご堪能ください♪

＜あらすじ＞
青原はクォーターで碧眼の色男。 開放的な常夏では竿を乾かすヒマもないが、 それは"タチ"として。 そんな青原に惚れて執拗に狙う男の名は正木。 ただしこの男、青原を「抱く」と譲らず……。

とある部族に乳の出る「ウフ(大いなる父)」と呼ばれる男たちがおりました。当代の「ウフ」であるロイに従者として仕えるアシュは密かに主人に想いを寄せていて……？
ガチムチ豊満ボディに艶めかしい褐色肌、溢れ出す乳に、逆体格差の従者攻め…ありとあらゆる性癖＆エロスが詰め込こまれた贅沢すぎる１冊！ けれど、本作の魅力はエロだけではございません。想い合う二人が部族の掟や義親子・主従関係といったしがらみに翻弄されながらも貫き通すその純愛に心が萌え滾ります！
そしてなんと…アシュ×ロイ編の他、二人のウフと従者のお話も収録されており、計3カップルの恋模様を楽しむことができてしまいます。聖母系と豪快系、やんちゃ系、さあさあ、どちらの父(乳)にいたしましょう？ ちなみにガチムチ受け以外の選択肢はございません♪
ガチムチ・雄っぱい好きな方も、そうでない方も、夢のような筋肉づくしを最後の1ページまで心ゆくまでご堪能下さい！

＜あらすじ＞
幼い頃に両親を亡くしたアシュは、部族の人々から「ウフ(大いなる父)」と崇められる養父・ロイの乳で育った。時は流れ、ロイの従者として仕えるアシュの心にはいつしか恋慕の情が芽生え始めて――。

一族繁栄の儀式として次期首長のユアンは村最強戦士のレオと三日間子作りをすることに。子どもの頃から一緒のレオ相手に儀式ができるのか不安に思っていたユアンですが、憧れのレオの色香を前に抑えていた独占欲が爆発し、レオの体を貪り尽くしてしまいます。本能のままにまぐわう二人の色香が強烈で、激しく濃いセックスシーンは汗と熱が沸き立ってくるよう……！ 一夫一妻制の概念がない村でお互いを特別に想う二人。気持ちと熱量がほとばしる情熱的なセックス描写を存分に堪能できます。
また、民族BLらしく湖や森でのプレイも！ 南国の美しい自然の中で愛を交わし合い結婚を誓う二人の純愛ストーリーが感動を誘いますよ！
ガチムチ肉体美と褐色の肌、民族衣装に屋外プレイと性癖のオンパレードのような作品ですが、二人の純愛っぷりとエロさのギャップがとても良く、エロ重視派もストーリー重視派も満足できる素晴らしい一冊です。

＜あらすじ＞
次期首長・ユアンと村一番の英雄・レオは兄弟のように育った幼馴染。一族繁栄の儀式として首長であるユアンの父から命じられたのは、レオと三日間セックスし孕ませること!?